Sweet Chocolate Kiss(短編)
逸都…
彼の見せる苦しそうな表情を見て。
胸の奥がズクンと痛む。
逸都…
私の気持ちを知ってたのに知らないフリをしてくれて…、本当にありがとう。
つらかったよね
イヤだったよね
私…ちゃんと言うよ
素直になるよ
ちゃんと…言うから
そしたら逸都は私の気持ちを受け止めてくれる…??
勇気をふりしぼって
「あのね…っ。気づいてると思うけど…!!」
手のひらをグッと握って彼への気持ちを伝えようとすると
「いいから。
全部わかってるから…ちょこは言うな。」
気まずそうに苦笑いをして、逸都は私の言葉をそうっと阻む。
そしてハァとため息を吐くと
「始めはカンちがいなのかなと思った。だけど…お前の目を見る度に“あ…違う”って確信したよ。」
そう言って彼は私の肩に手をポンと置く。
そして…決心を固めた声で、覚悟を決めた口調で彼はこう言い放った。
「お前……、梅(ウメ)ちゃんのコトが好きだったんだな……っ!!!!!」