Sweet Chocolate Kiss(短編)
――えっ…??
驚いて
ボールを磨いていた手を止めてフッとセンパイの表情を見つめると、センパイは凄く凄く優しい顔をしてこう言った。
「好きな女の子に見つめられて…、イヤな気持ちになる男なんて一人もいないよ??」
……えっ……?
思いがけない告白に
止まる時間
止まる思考
そして高まる体温。
気がつくと
私の右手は佐加美センパイの大きくて優しい手のひらの中にギュッと強く包まれていた。
「好きだよ、千代子ちゃん。俺、ずっと千代子ちゃんのコトが大好きだった…。」
えっ!?
えっ?!
好きって…
好きって言ったの!?今!!
突然の告白に私の頭の中は大パニック。
そ…それって後輩として??
それとも女の子として??
昨日の逸都の一件があってから。
なんとなく男の人に疑心暗鬼になっている、私。
視線をキョロキョロさせて落ち着かない私を見て、佐加美センパイは何かを察したのか
「好きだよ、千代子ちゃん。
後輩でも友達でも何でもなく、女の子として俺は君が大好きだよ。」
そう言って。
佐加美センパイは私のホッペに優しく触れるだけのそよ風のようなキスをした。