Sweet Chocolate Kiss(短編)
「チョコーっ!!!学校行くぞー!!!」
「待ってて、ハヤト!!
今すぐ行く~!!」
玄関前から聞こえる、逸都の大きな声。
その声に負けじと自室の窓を開けて大きな声で叫ぶと…
逸都(ハヤト)は満足そうな顔をして指でOKマークを作ってくれた。
机の上に置いてあったスクールバックを取って
お気に入りのスプリングコートを羽織って
最後に身だしなみチェックをして
「行ってきまーす!!」
玄関を飛び出すと
「遅い!!」
マウンテンバイクに跨がった逸都は、不機嫌そうに私の頭をコツンと小突く。
「イタッ!!」
殴られた箇所を擦りながら非難の声をあげると
「チョコ、早く学校行くぞ。
チンタラしてたら練習時間が減っちまう!!」
そう言って。
逸都は自分の自転車の後ろを指さした。