Sweet Chocolate Kiss(短編)
次の日。
「おーい、ちょこー!!!
学校行くぞー!!!」
いつものように声をかけても、アイツの部屋の窓はいつまでたっても開かなくて。
何回か叫んでると玄関の扉がギィっと開いて、中からオバチャンが出てきた。
「ゴメンね、はーちゃん。
よくわかんないんだけど“今日は学校行きたくない”って言ってあのコきかないのよ……。」
「…え……。」
「だから悪いんだけど朝練は先に行ってて?
学校だけは何とか行くように説得するからさ。」
そう言って。
オバチャンは申し訳なさそうに俺の顔を見つめる。
「…わかった。じゃ、しょーがねぇな。」
俺はマウンテンバイクに跨がると
「オバチャン。
ちょこに学校だけは絶対来いって伝えといて。」
そう言い残して俺はペダルを漕ぎ始めた。