Sweet Chocolate Kiss(短編)


佐加美(サガミ)センパイ…かぁ……。


この一週間
佐加美センパイは部活が終わった後、毎日私を家まで送ってくれている。




私はあの時、夢の国へのご招待を断ったにも関わらず


『だって好きな子の側にいたいと思うのは当然でしょ?』


そう言って…
嫌な顔一つせずに私を送って行ってくれるセンパイ。




大人で
包容力があって
私の全てを受け入れてくれるセンパイは逸都とは全然違う。





センパイといると心地いいし、何よりも落ち着く。



今すぐは無理でも…。
こうやって時を重ねて、お互いを知っていければ…私は佐加美センパイのコトを好きになれるのかもしれない。



逸都への想いが現在進行形のモノじゃなく、過去の想い出になってくれれば…私たちは普通の幼なじみに戻るコトができる。





逸都がそれを望むなら。
大好きな彼がそれを一番に望んでいるのなら。






きっとそれが一番いいことなんだ……。






あの日から
私はそう思うようになっていた…。


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