Sweet Chocolate Kiss(短編)
胸の前に作った、ちっちゃなガッツポーズをゆっくりと下ろして。
ダムダムとドリブルをしてゴール目掛けて走って行って。
レイアップシュートを決めると
「ナイスシュート!!」
クッキー妹はニッコリと微笑んだ。
だけど…なんとなく晴れてくれない、俺の心の中。
さっきから俺の頭の中にあるのは“こういう時、ちょこだったら…”とか“今のシュートどんな顔して見てくれたかな”とか…
浮かぶのは…
気まずくなってしまった幼なじみのことばかり。
やっぱ……
こんな状態だから、考えちまうのかな。
よくよく考えれば、こんなに長い間ちょこと会話をしないなんて生まれて初めてのことだし。
なんだかんだ俺も寂しいんだろうな。
そんなことを思いながらフゥとため息をはいて、ボールを片付けようとすると。
「ねぇ、センパイ?」
「あぁん!?何だよ。」
突然クッキー妹が俺に話しかけてくる。
不機嫌MAXな感じで答えると…、
「そんなにちょこセンパイのコト好きなのに…なんでフッたりしたの??」
「……!!!!!!!」
クッキー妹は。
爽やかな表情を浮かべながら、俺の地雷をアッサリと踏みつけた。