桜舞う中で
12
うるさいくらいに心臓が鳴ってるのが解る。
葉先輩と一緒にいる子は誰なんだろう―
もしかして彼女なんじゃ…
そんな思いが頭の中を支配している。
いけないとは思いつつも、私は二人の会話に耳を澄ませた。
「―で
話って?」
「あの‥
先輩ってよく此処に来てますよね」
先輩って事はあの人は3年生じゃないんだ…
「それで
前から気になってて」
「…うん」
「もしよかったら
私と付き合って下さい!!」
!
頭の中が真っ白になった気がした。
告白‥だ
思い出されるあの言葉
“最近は卒業が近いからか
毎日のように告白されてる”
先輩の言ってたことはやっぱり本当だったんだ
ふらふらと私はその場を後にした。
先輩の返事を聞いている余裕もなかったんだ。