桜舞う中で


暫くの間 風に吹かれ桜が舞う姿をただただ見ていた。

隣に立つ先輩も同じように桜を眺めている。




入学式終了を知らせる放送が鳴り、ざわざわと辺りが騒がしくなってきた頃



「‥んじゃ

そろそろ教室に戻るかな」


そんな呟きが聞こえ隣を見る。



「君もちゃんと行きなよ?


あと

これからは 桜に見とれて遅刻しないようにね」


私にそう微笑んで


ぽんぽんと軽く頭を叩いて行ってしまった。




先輩に触れられたところが熱い…


ほんのりと熱を持った頬を押さえ、私も教室に向かった。









…入学式に出なかった私が怒られたのは言うまでもないことだ。




< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop