君と手をつなぐ話
エドモンドはなにか、あたたかく心地よい気分になりたかったので、バスタブをつくった。


長方形で角はまるく、なめらかな曲線が平行しているボディの色はもちろん白、猫足は金、そこに、いっぱいのお湯を張る。


産まれたままの姿で、深く仰向けに身を沈める。


バスタブの縁は、頭をもたせかけられるよう、ななめに大きくせり出ている。


背中をあずけて、頭を乗せた、この具合、とてもいい。


お湯は、勢いよくあふれだす。


バスタブの平行した曲線の一番低くなっているところから、押しあいへしあいして、一気に流れ出たもんだから、
お湯同士がぶつかりあってできたひだが、
たくさんの線を描いて、
この勢い、
まるで滝、
壮大な滝、
この湯量ときたらみごとです
世界一に認定いたします。
エドモンドは得意げに胸を張る。


ほどよく筋肉のせり出た胸に、毛は、生えていない。エドモンドは、そういうタイプ。
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