伯爵と妖精~新しい息吹~
「ここは夢なの?」
リディアは、スコットランドの丘に一人立っている。
嫌な予感がし立ち去ろうと思った時。
(お待ちなさい)
後ろから声が聞こえ振り向くと、そこには野薔薇の女王がいた。
「あなたはスコットランドの…」
(リディア、双子を身篭っているわね?)
「えっ!双子?」
まさか双子だったとは知らなかった。
(青騎手伯爵の双子とは珍しい是非とも片方を欲しいと思ってな)
「双子の一人を連れて行くなんて…!」
野薔薇の女王は一度得た物はなかなか手放さない。
(二人いるのだから、一人ぐらい良かろう)
妖精の考えは人間とは全く違う。
早く断らなければ大変な事になる。
「いいえ野薔薇の女王、私の子は一人とたりともお譲りすることはできません」
きっぱりと言うと、野薔薇の女王は憤った表情をした。
(なんと…、良かろう。産まれたと同時迎えに行く)
全く人の話しを聞いてない。
「お待ちください!!」
焦って野薔薇の女王を追い掛けようと思ったが、景色が歪んだ。
「リディア?」
目が覚めると、アッシュモ-ヴの瞳が心配そうに見つめているた。
リディアを体を起こし、当たりを見渡す。自分達の寝室と分かるとほっとした、
「悪い夢でも見たのかい?」
エドガーにさっき見た夢を全部話た。
するとエドガーは嬉々とし、
「今の話し本当かい?」
「エドガー、喜んでいる場合じゃ…」
しゃべろうとしている口をキスで塞がれた。
「ちょ…っと…、エドガー!」
「リディア、僕らの子は二人も産まれるんだよ。喜ばずにはいられないじゃないか!」
確かにそうだけど、今はそれどころじゃない。
「だけど野薔薇の女王に連れていかれちゃうのよ…」
金緑の瞳がうるむ。
なくリディアを優しく抱きしめる。
「大丈夫、僕がそうさせない。絶対に…」
リディアの頭を撫で落ち着かせた。
「スコットランドの野薔薇の女王が?」
話しを聞いたニコが考えこんだ。
「だからいい対象法をないかな?」
ニコの意見が役に立つとは考えられないが、一応聞いてみた。
「にしても伯爵よぉ、野薔薇の女王は一度目を付けたらしつこいぜ」
目を付けられたことがあるのだろうか?
「前はバイオリン弾きで、今度は子供かよ…」
「バイオリン弾きって、リディアの初恋の?」
逃げようと思ったニコだが、エドガーにつまみ上げられていた。
「あぁ、そうだよっ!あん時は魂だったんだけど…」
「リディアの?」