ナマイキ彼氏。
「新太ぁ♪全然待ってないよ?帰ろっ!」
ハートマークが沢山付きそうなセリフを甘ったるい声で言う。
もちろん、一花スマイルも忘れずに。
でも耳元で、「…キモっ」という声が聞こえたから、
見えないように足を踏んづけた。
「……─ってぇ!」
痛そうに顔をしかめる彼にべーっと心の中で舌を出し、知らん顔で前を向く。
「新太くん!その女だぁれ?」
「まさか、そんな童顔ブスが彼女だなんて言わないよねー?」
「ね?新太くん!早く私達と帰ろう?」
…くそっ。
言いたい放題言いやがって。
童顔ブスぅ?
まぁ………その通りだけど…
…って!違うもん!!
誰だそんな事言う失礼なやつはー!?
反撃しようと口を開きかけた時、
「うっせぇよ。
俺の女の事悪く言ってっと…どうなるか分かってるよな?」
新太の言い様に女の子達は呆然とする。
ほんと…
新太って口悪いよなぁ…
ぼんやりとそんな事を考えていると、
「行くぞ。」