ありのままの、あなたが欲しい。
「私はね、あなたみたいな尻軽女じゃないのよ」



藤咲さんからそんな言葉が出てくるとは思わず、驚いた俺は目をぱちくりさせるだけ。


彼女の背中からは怒りのオーラをひしひしと感じるし…。



「尻軽……!?」


「私はショージさんの友達でもなければ恋人でもない。ただの隣人です」



怒りと動揺が入り混じったような表情をするミナに、藤咲さんは冷静に淡々と事実を突き付けていく。



「そういうあなたはショージさんの何なの?」


「な、何って…!」



言葉に詰まったミナは視線を泳がせる。


そりゃそうだ。

ミナこそ恋人でもなければ友達でもないのだから。



ジリジリと追い詰める藤咲さんに、ミナはどんどん怯えたような表情に変わっていき……


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