ありのままの、あなたが欲しい。
端的に話をまとめるショージさんと、ものすごく素直に言うことを聞く彼が可笑しくて、私はふふっと笑いを零した。


ショージさんは腕組みしながら、レジを背に障害者の皆を眺めて微笑む。



「面白いでしょ、あの子達」


そう言われて、私も彼らに目を向けて頷いた。



「…うん。そうね」



奇声を発しながら店内をウロウロする人や、普通にレジにお菓子を持ってくる人。

ずっとニコニコしている人や、何度も挨拶をしてくる人……


一人一人がすごく個性的で、見ていて飽きない。



「『子供みたいなのを相手にしてる』ってこのことだったのね」



引っ越しの挨拶をした時に彼が言ったことを思い出す。


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