ありのままの、あなたが欲しい。
「──…」
──また、あの夢だ。
ぱっと開いた目には、さっきとは正反対の真っ暗な闇が広がる。
気が付いたら、今日も涙がこめかみに伝って枕を濡らしていた。
規則正しい寝息が聞こえて隣を見ると、愛斗がすやすやと気持ち良さそうに眠っている。
その顔を見るとすごくホッとして、無性に抱きしめたくなる。
体を起こして時計を見ると、まだ0時を回ったところ。
さっき寝たばかりなのに…こうなるともうダメなのだ。
私は小さなため息をついて、仕方なくリビングへと向かった。
そして手に取るのは睡眠薬。
途中で目が覚めてしまった時には、やっぱりこれを使うしかない。