ありのままの、あなたが欲しい。
キッチンで薬を飲んでからリビングへ移動する。


その時に見える写真立てに飾ってあるのは、愛斗のお気に入りの一枚。



三人で写っているものはあまりなくて、中でも一番写りの良いこの写真を飾ってくれと言われたのだった。


見ると思い出してしまうから、本当はあまり目につく所に置きたくはないのだけれど……。



写真の中で幸せそうに笑う自分達の顔をチラリと見て、ため息をつくとすぐに目を逸らした。


すると、今度は同じ棚の上に置かれたカラフルなカエルが目に入る。



そういえば、今日はショージさんと夕飯を食べたんだった。


愛斗と楽しそうに折り紙を折っていた彼の笑顔を思い出して、私は自然と顔を綻ばせた。


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