ありのままの、あなたが欲しい。
一匹のカエルを取って、テーブルの上で飛ばしてみる。



「懐かしいな…」



ショージさんと同じことを呟いて一人笑いを漏らした。



今日は特に秋のことを深く考えたわけではなかったのに、どうして夢を見たんだろう。


むしろ、ショージさんと愛斗と、久々に賑やかな食事をして楽しかったのに。


その間は、秋のことを考えずにいられたのに──。




最初はショージさんと秋をほんの少しだけ重ねてしまっていたけれど、やっぱり二人は全く違う。


ショージさんの人間性を知れば知るほど、似ているのは雰囲気や仕草だけだと思う。


だから彼といても、秋の面影を重ねて見ることは少なくなっていた。


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