ありのままの、あなたが欲しい。
考えてもキリがないが、気が付くと考えてしまっている。

そして、彼女に逢いたくなる……。


最近の俺は、確かに“初恋”という名の病に侵されているのかもしれない。




「まぁよかったじゃねーか。真剣に愛せる相手が見付かって」



武田さんがいつになく柔らかい笑みを浮かべて俺の背中を軽く叩いた。



「俺はてっきり亜優ちゃんとイイ感じなのかと思ってたよ」


「え?亜……水谷さんと?」



突然亜優の名前が出てきて、心なしか動揺した。

そういえば、最近亜優との付き合いはめっきりご無沙汰だ。


…ていうか、“イイ感じ”って表現がなんか古くないか?


いつかの女子高生みたいな言葉に笑いを堪えつつ咳ばらいする。


< 270 / 395 >

この作品をシェア

pagetop