ありのままの、あなたが欲しい。
言い合う二人は普通の友達のようだ。


少し長めのくせ毛をガシガシと掻く武田さんは、なんだか少し照れてるように見えて思わず笑ってしまう。



「それと!このことは誰にも言うんじゃねーぞ」


「さぁね~♪」


「おい!!」



利用者の女の子はポニーテールを揺らしながらスキップして去っていく。


二人のやり取りに肩を震わせて笑っていると、怖いカオをした武田さんが振り返った。



「ショージも!絶対俺より先に言うなよ?」


「もちろん、わかってますって」



意外と心配性な武田さんにまた笑いが込み上げる。


それと同時に、何の迷いもなくまっすぐ進もうとする姿を、少し羨ましくも思った。


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