ありのままの、あなたが欲しい。
仕事を早めに切り上げて「エリカ」に向かうと、やっぱり俺の記憶は正しかったらしく夏芽さんの姿があった。
髪を一つに束ねて、エリカお馴染みの赤いチェックのエプロン姿でレジの前に立っている。
そして、カウンター越しにはマナトくんと…見たことのない女性が。
「いらっしゃいま……あ!」
店に入った俺に気付いた夏芽さんは、一瞬目を開いた後、いつもの笑顔を見せてくれた。
同時にふわふわの長い髪の毛を揺らして女性が振り向く。
目がパッチリしていて、人形みたいに可愛らしい人だ。
もしかしてこの人は……
「あーっ、ショージだぁ!」