ありのままの、あなたが欲しい。
初めて掴んだ大切なもの
◇Side 叶
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「くそ…あのオッサン…!!」
星空の下を走りながら、俺は悪態をついていた。
さっきあそこで夏芽さんの隣人が顔を出さなければ、マナトくんを見失うこともなかったのに…!
…というのも八つ当たりだとわかってはいるけれど。
いくら子供でもマナトくんは足が速いし、アパートを出てすぐの道は二手に分かれている。
そこをとりあえず右に進んでみたが…
もし反対へ行っていたら確実に距離は離れている。
最悪の事態になりませんように…と心から祈りながら、とにかくマナトくんが行きそうな場所へと走った。