ありのままの、あなたが欲しい。
電話を切って来た道を引き返すと、途中で夏芽さんと合流して今度は二人でまた走り出した。
なんと、マナトくんは夏芽さんが働いているエリカへ行ったらしい。
森井さんから夏芽さんに電話があって、今一緒にいるらしいのだ。
「何でまたエリカに……」
「わかんない…。とりあえず無事でよかった…」
息を切らしながら安堵の表情を見せる夏芽さんの頬には、うっすら涙の跡がある。
マナトくんを本当に心配して、不安だったんだろう。
エリカにはいつも俺達は車で行くが、歩いたって行けない距離ではない。
でもマナトくんの足でここまで来るのは結構疲れたはず。
こんなところに何の用があったって言うんだ…?