ありのままの、あなたが欲しい。
不完全なココロ
◇Side 夏芽
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新生活を始めて約一週間。
まだまだ仕事には慣れないけれど、優しい店長さんとその奥さん、そして数人のパートさん達と仲良く働けている。
小さなお店だけど意外と利用するお客さんは多くて、お昼時なんかは結構混むのだと実感した。
「いや~、今日はアカシヤの子達が来ないから静かだなぁ」
「“アカシヤ”…?」
って何のことだろう?
肩を回して微笑しながら言う森井さんの言葉が気になって聞き返したけれど、ちょうど同時にお客さんが入ってきた。
そちらに顔を向けると、見慣れたふわふわパーマの長い髪の毛が目に入り、私の表情は一気に綻んだ。