ありのままの、あなたが欲しい。
「………。」



…だから想像しちゃダメだってば!!


ぶんぶんと頭を振って、二人の甘かっただろう昨夜の妄想を掻き消した。



あぁ…せっかく忘れかけていたのに…。


なんだか爽やかな気分が損なわれたまま朝食を済ませ、軽くメイクをしているとインターホンが鳴った。



「マナ、ちょっとテレビ見て待ってて」


「は~い」



前髪を留めていたクリップを外して軽く手直ししてから玄関に向かう。


覗き穴から外の人物を確認して、私は眉をひそめる。



「……なんで?」



そこに立っていたのは、あのショージさんだったから。


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