ありのままの、あなたが欲しい。
すでにデザートをお皿いっぱいに持ってきたゆりあは、それを前にニヤリと笑いながら頷く。



「そうなんだぁ~年下のイケメンかぁ♪
でも彼女持ちじゃダメだね、ざんねーん」


「何が残念なの?」


「だってお隣りさんと恋に落ちたりしたらロマンチックじゃん?」



なんだ、そういうことか。


ゆりあはこのデザートみたいに甘~い恋がお好みなんだよね。


そんなゆりあに少し笑いながら、私は目線を落とした。



「今はもう恋なんて出来ないよ。
それに…しようとも思わない」



一瞬、賑やかな店内で私達の間だけが静寂に包まれた。


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