僕のお母さん2



「ダメですよ、締め切りは守らないと。」





会った頃の僕なら、こんなことルミさんに、言えてなかったんだろうな……今は、ある程度のことならなんでも言えるようになった。ルミさんも、それに気づいているのか、僕が少々憎まれ口を叩くと、嬉しそうに笑う。





「そうだよね。そういえば、明後日はバレンタインだな。椿、貰えそうか?」





貰えそうっていうのは、きっとチョコレートのことだろう。確かに、女子は最近「チョコどうするぅ〜?」だとかを話していた気がする。バレンタインにチョコを貰うことは、前の学校でもあった。だけど、全部義理だそうだ。





「わからないです。でも、義理で前の学校で貰ったことはあります。」





僕は、正直に話す。だって、本当のことだ。僕は、裏庭に呼び出されて、「好きです。」とか言って、チョコレートを渡すような、本命チョコを貰ったことはない。





「椿は、わかってないな……義理っていう名目で、本命のやつあげてる子もいると思うよ?だって、椿カッコいいじゃん。」





カッコいい?僕が?何かの間違いをしてるんじゃないか……ルミさんは……。僕のどこを見たら、カッコいいのさ。





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