僕のお母さん2
「椿は、楽しくない。」
朝から、ルミさんに言われた言葉に、僕は少し戸惑った。だって、いきなり楽しくないと言われても困る。僕がオロオロしてるのを見ながら、ルミさんはケラケラと笑った。
「だって、一回しか教えてないのに、ネクタイの結び方理解しちゃって、マスターしちゃってさ。私が、直してあげる、とかそういう作業させてくれないの?」
今日は卒業式だ。ルミさんが買ってくれた卒業式用のスーツは、ネクタイをするようになっている。初めは、結べなかったけど、ルミさんに教えてもらって、結べるようになった。
「ごめんなさい。でも、中学校でもネクタイなんで……。」
わかってるよ、と言ってルミさんはキッチンの方に、消えていった。相変わらず、テーブルの上にはしっかりと食事が用意されている。昨日、締め切りだったから、疲れているんだろうけどな……
「ほら、早く食べないと、裕貴こっちまで来ちゃうよ。」
裕貴と学校に行くのは、日課になっていたが、待ち合わせ場所にどちらかがいなかったら、家まで迎えに行くことが多かった。もちろん、僕の家に裕貴が迎えに来たことは無かった。大体僕が迎えに行っていた。
ルミさんは、最初“裕貴くん”と呼んでいたが、いつだったか、裕貴にくんをやめてくれと言われたらしく、“裕貴”になっていた。
朝から、ルミさんに言われた言葉に、僕は少し戸惑った。だって、いきなり楽しくないと言われても困る。僕がオロオロしてるのを見ながら、ルミさんはケラケラと笑った。
「だって、一回しか教えてないのに、ネクタイの結び方理解しちゃって、マスターしちゃってさ。私が、直してあげる、とかそういう作業させてくれないの?」
今日は卒業式だ。ルミさんが買ってくれた卒業式用のスーツは、ネクタイをするようになっている。初めは、結べなかったけど、ルミさんに教えてもらって、結べるようになった。
「ごめんなさい。でも、中学校でもネクタイなんで……。」
わかってるよ、と言ってルミさんはキッチンの方に、消えていった。相変わらず、テーブルの上にはしっかりと食事が用意されている。昨日、締め切りだったから、疲れているんだろうけどな……
「ほら、早く食べないと、裕貴こっちまで来ちゃうよ。」
裕貴と学校に行くのは、日課になっていたが、待ち合わせ場所にどちらかがいなかったら、家まで迎えに行くことが多かった。もちろん、僕の家に裕貴が迎えに来たことは無かった。大体僕が迎えに行っていた。
ルミさんは、最初“裕貴くん”と呼んでいたが、いつだったか、裕貴にくんをやめてくれと言われたらしく、“裕貴”になっていた。