僕のお母さん2
大体、義理って名目でしか渡せない時点で、本命では無いんじゃないだろうか……
「早く食べないと、遅刻するよ?」
僕は時計を見た。8時ちょうど。少し、いつもより遅い。僕は、ご飯を口に流し込んだ。ルミさんの、料理は今日も美味しい。もっと、味わって食べたいのにな……僕は食器を流しに入れて、自分の部屋へ行き、もう一度ランドセルの中身を確認した。
僕は普通の小学生を、謳歌してると、思う。友達も、普通に出来た。クラスにも馴染めてる。毎日が楽しい。そう思えるのも、ルミさんの、おかげなんだよな……
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
ルミさんが、笑顔で見送ってくれる。ルミさんは、今日は定休日だ。だから、今日一日は、作品づくりに没頭するらしい。
僕は、出てきた時間が遅かったため、少々急いで学校へ向かった。
「おはよう、佐藤!」
後ろから、名前を呼ばれて振り返る。“佐藤”と呼ばれるのも、ずいぶん慣れた。前までは、呼ばれてもすぐに返事が出来ないこともあった。
「あ、おはよう……。」