僕のお母さん2
「そういう、ものですかね……」
僕が、よくわからなそうに、首をかしげると、松本は首を左右に振って、わかってないな、と呟いた。うん、松本。僕よくわからないよ。
「まあ、佐藤にはまだ早いかもな……ま、バレンタインは明後日だ。まだあせる必要はないな。」
そこで、僕はルミさんに買って貰った腕時計を見る。あと二分で朝のチャイムが鳴ってしまう。
「でも、松本。どうやら、学校へは急いだ方がいいみたいですよ?」
結局、僕たちは焦って、ダッシュで学校へと急いだ。正直、間に合わないと思ったが、松本が思いもよらない近道を知っていて、何とか間に合った。その間、二人とも大笑いだったため、僕たちはバレンタインのことなんて、すっかり忘れていた。
そう、すっかり……
「ねえねえ、椿くん、椿くん。」
僕は、読んでいた本から、目を離した。目の前には、クラスの中心的にいる女子、みんなからはボスと呼ばれている。ボスは、ニコニコしながら僕に言う。
「椿くんは、クッキーとチョコどっちが好き?」
クッキーとチョコ?なんの話を始めるんだ?昼休みだったため、クラスにいるほとんどのやつが、僕とボスの会話を聞いている。