僕のお母さん2



「そういう、ものですかね……」





僕が、よくわからなそうに、首をかしげると、松本は首を左右に振って、わかってないな、と呟いた。うん、松本。僕よくわからないよ。





「まあ、佐藤にはまだ早いかもな……ま、バレンタインは明後日だ。まだあせる必要はないな。」





そこで、僕はルミさんに買って貰った腕時計を見る。あと二分で朝のチャイムが鳴ってしまう。





「でも、松本。どうやら、学校へは急いだ方がいいみたいですよ?」





結局、僕たちは焦って、ダッシュで学校へと急いだ。正直、間に合わないと思ったが、松本が思いもよらない近道を知っていて、何とか間に合った。その間、二人とも大笑いだったため、僕たちはバレンタインのことなんて、すっかり忘れていた。





そう、すっかり……





「ねえねえ、椿くん、椿くん。」





僕は、読んでいた本から、目を離した。目の前には、クラスの中心的にいる女子、みんなからはボスと呼ばれている。ボスは、ニコニコしながら僕に言う。





「椿くんは、クッキーとチョコどっちが好き?」





クッキーとチョコ?なんの話を始めるんだ?昼休みだったため、クラスにいるほとんどのやつが、僕とボスの会話を聞いている。





< 5 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop