聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 うるさいな! 胸なんて大きすぎると早くタレるのよ! 小さくて形良いほうが断然良いじゃない!

 と、あたしはまたも心の中で叫ぶ。


 ホント、言えたらどんなに良いことか……。


「でもやっぱり顔もある程度良いほうがいいよな」

 ぽつりと呟いたのは弘樹。


「確かになー。あーあ、ルビーとアメジストが本当に女ならいいのに」

 高志がため息をつきながら言った。

 それはきっとこの学園の生徒皆が思っていることだ。


 ちなみにルビーは雪さんのことで、アメジストは怜さんのこと。


 ジュエルである二人には、それぞれイメージに合った石の名前を石号(セキゴウ)として与えられる。

 雪さんのルビーは石言葉が『熱情』『仁愛』『威厳』。
 一番年長でもある雪さんはカリスマ性もあってまさにそんな感じだ。

 怜さんのアメジストは、『誠実』『心の平和』『愛』『真実』。……他にもあるけどそんなとこ。
 優しい雰囲気の怜さんには合っている。


 ちなみにあたしの石号はまだ決まっていない。

 数日後のお披露目のときに発表されるらしい。


 ついでに言うと、あたしはナイトもまだ決まっていない。


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