聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
黒斗の仮面
その後、弘樹とはすぐに別れてあたしと黒斗は寮へ帰ることにした。
あたしはこのとき上機嫌だった。
結果としては残念なものになったけど、弘樹の役には立てたみたいだったから。
それに何より、友情が深まったってのを実感していたから……。
多分それは、黒斗も思っていたはず……。
「良かった」
あたしは思わずそう呟いた。
「何がだよ?」
その呟きに聞き返してきた黒斗に、あたしは答える。
「弘樹のこと。ちゃんと役に立てたみたいで良かったって」
「あっそ」
そっけなく言った黒斗に、あたしは「それにね」と付け加えた。
「黒斗にも、友情とか芽生えたかな? って思って……」
そこまで言うと、突然塀(へい)に体を押し付けられた。
え?
「お前さ、なんか勘違いしてねぇ?」
暗い黒斗の目が、あたしを射抜いた。
「弘樹に礼言われて照れくさそうにしてたのは、仮面を被ったいい子ちゃんの俺。本当の俺は何とも思っちゃいねぇんだよ」
嘲るような、イヤな笑顔。
暗く深い黒の瞳に、あたしは心を壊されるような気分になり、今にも泣きそうになった。
あたしはこのとき上機嫌だった。
結果としては残念なものになったけど、弘樹の役には立てたみたいだったから。
それに何より、友情が深まったってのを実感していたから……。
多分それは、黒斗も思っていたはず……。
「良かった」
あたしは思わずそう呟いた。
「何がだよ?」
その呟きに聞き返してきた黒斗に、あたしは答える。
「弘樹のこと。ちゃんと役に立てたみたいで良かったって」
「あっそ」
そっけなく言った黒斗に、あたしは「それにね」と付け加えた。
「黒斗にも、友情とか芽生えたかな? って思って……」
そこまで言うと、突然塀(へい)に体を押し付けられた。
え?
「お前さ、なんか勘違いしてねぇ?」
暗い黒斗の目が、あたしを射抜いた。
「弘樹に礼言われて照れくさそうにしてたのは、仮面を被ったいい子ちゃんの俺。本当の俺は何とも思っちゃいねぇんだよ」
嘲るような、イヤな笑顔。
暗く深い黒の瞳に、あたしは心を壊されるような気分になり、今にも泣きそうになった。