聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 あたしが悲鳴を抑えて黙っていると、黒斗はそのままうなじに舌を這わせた。


「ひゃあ!?」

「ホラ、さっさと出さねぇと他のとこも舐めるぜ?」

 楽しそうな声が後頭部付近から聞こえる。


 は、早く出して見せないと!


 そう思って持っていたカバンから貰った半分を取り出そうとした。

 でも寸前で思い留まる。


 これ見せたらそれこそ何されるか分かんないよ!


「どうした? 出さねぇのか?」

 それなら、と今度は首と肩の付け根辺りを舐められた。

「うっや、ぁ……」


 ダメだ! これじゃあどっちにしろ危ない。

 だったらさっさと見せて、とりあえず今舐めてるのを止めさせよう!


 あたしはそう決意してプリクラを取り出した。

「何だよ。やっぱりあるんじゃねぇか」

 そう言って黒斗はあたしの手からプリクラを奪い取った。


 片腕であたしを抱きしめたままプリクラを無言で見つめる黒斗。


 この無言が怖いんだけど……。



「ふぅん……キレイに写ってんじゃん」

 「ってか」と言い、プリクラをあたしに見えるよう目の前に持ってきた。

「またキスされたんだな。……何抵抗もしねぇでやられてんだよ」

「っだって、嫌! って叫んで突き飛ばしたりしたら高志傷つくでしょ……?」

 あたしはプリクラから目を逸らしてそう言った。

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