聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「友、話があるんだ。ちょっと来てくれ」
放課後、自分の席でカバンに物を詰めていると、弘樹に話しかけられた。
その表情は真剣で……。
そして、深刻そうでもあった。
和さんのときとは違う、気迫のようなものを感じる。
だからあたしは多くは聞かず弘樹に従った。
「ああ、分かった。何処で話す?」
「んじゃあ屋上行くか。あそこなら今の時間誰もいないだろうし」
「うん」
そうしてあたしはついて行こうとする。
でも途中で弘樹が振り返る。
「あ、黒斗はついて来るなよ絶対」
「は?」
弘樹の言葉に、ついて来ようと立ち上がった黒斗は眉間にシワを寄せた。
「黒斗にいられると困る話だからさ。悪ぃけど高志、黒斗見張っててくれよ」
「んー? 何か分かんねぇけど分かった! まかせろ!」
弘樹、用意周到だ。
そこまでする話ってなんだろ?
あたしは疑問に思いながらも何も聞かずについて行った。