聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
幕間 黒斗
弘樹のやつ、友に話って何なんだ?
しかも俺がいると困るって……。
俺は気になって気になって、トイレに行くフリをして様子を見に行こうと立ち上がった。
「どこ行くんだよ、黒斗」
すかさず高志が聞いてくる。
ッチ……。
「トイレだよ」
「そっか、じゃあオレもついてく」
「…………やっぱ止めるわ」
仕方なく座りなおした。
「黒斗ぉ、お前さ、いくら友のナイトって言ったって、ちょっと過保護すぎじゃねぇか?」
俺の様子を見て高志は呆れ気味に言う。
過保護?
「そんなつもりはねぇけど……」
そうだ。俺はただ、俺のモノに変に手を付けられたくないだけだ。
友が、予想外に俺の内面に入ってきたから今は距離をとっているが、俺のモノってことには変わりない。
「大丈夫だって。弘樹が友に変なことするわけねぇだろ?」
当然の様に弘樹を信用してる高志を見て、俺は何だかしらけた気分になった。
「お前は逆に良く落ち着いていられるな。友のことが好きなくせに」
知ってるのを隠すのすら面倒になって、俺はさらりと言ってのけた。
「え? なっ!? 何で知って――!?」
高志は目を見開いて少し顔を赤くさせた。