聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「俺達も、そうなったな?」

 そう言って不敵な笑みを見せる黒斗は、いつもと変わりなかった。

 でも、その言葉が本心から来る言葉だってのは伝わってきたから、あたしはすぐに顔を真っ赤にさせる。


「ぅあっ、そ、そうだね……!」

「照れてんの? 可愛いなぁ……友は……」


 そうして、黒斗の顔が近付いてくる。

 あたしは恥ずかしさが絶頂に達し、黒斗の腕から抜け出し更衣室に入った。


「あああ、あたし! 着替えるから!!」

 そしてドアを閉めた。


 ドアを背に、あたしは心臓を押さえる。


 めちゃくちゃドキドキ言ってる。


 黒斗からあんな甘い台詞が出てくるなんて……。


 変わろうとしてるって事なのかな?


 でも、今みたいなのはあたしの心臓に悪すぎる!!


 せめて、甘い台詞言うのはたまににして欲しいな……。




 そう思ってあたしは着替え始めた。


 今のはほんの序章とは知らずに。




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