聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「はは……俺、カッコ悪ぃ……」

 そうやって落ち込む黒斗の姿を見て、あたしは何故だか黒斗が愛しくて愛しくて仕方なくなった。


 無意識に、黒斗の首に腕を巻きつけその頬に口付ける。

 驚く黒斗に、優しく微笑んだ。


「いつだったか、お母さんが言ってたの。男の人は好きな人の前ではカッコ悪いことしちゃうんだって」


 黒斗が好きだって気持ち、溢れてくる……。


「黒斗がカッコ悪いのは、それだけあたしのこと好きでいてくれるって事でしょう?」


 あたしは黒斗の首に巻きつけた腕に力を込め、抱きついた。

 そして耳元ではっきりと言う。




 

「黒斗、だーい好き」


「っ友っ!」

 黒斗はそうあたしの名を呼んで、ぎゅうっと抱き返してくれた。

 そしてまたキスをする。


 ちょっと強引だけど、ちゃんとあたしを気遣ってくれる深く優しいキスを……。


 あたしは、今度は拒まずに黒斗を受け入れた。



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