聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「今日は寮の自分の部屋掃除するように言われてただろ?」

「あ、忘れてた……」


 夏休み中ずっと放置されていた寮の部屋。

 流石に他の人に掃除してもらうわけにはいかないから、今日中に掃除しておくように学園長に言われてたんだった。


「ったく忘れんなよ。ほら行くぞ!」

「あ、ちょっと待って。ごめん、用たしに行ってくる」

「お前なぁ……。早く行って来い、待っててやるから」

「ごめん! じゃ!」


 あたしはそう言うと走ってトイレに向かった。




「にしてもこれから帰って掃除かぁ……。めんどーい」

 そんな風に愚痴をこぼしながら、あたしはいつもとは違うトイレに入っていた。



 普段は男子トイレに入るわけにはいかないから、ジュエル用のトイレにまで足を運ばなきゃいけない。

 でも今日はもう学校が終わりなせいか、皆さっさと帰っているようでトイレには誰もいない。


 なのであたしはつい近い方のトイレを使ってしまっていた。



 愚痴をこぼしつつもさっさと用を済ませたあたしは、黒斗の元へ戻ろうとトイレから出ようとドアを開ける。

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