聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 するとそれと同時に誰かが入ってきて、あたしの腕を掴んだ。


「なっ!? 誰!?」

 確認すると、それは日生だった。


「ちょっと顔かせよ」

 日生はそう言ってあたしをトイレの奥へと連れ込む。


「何するんだよ!? 離せ!」

 そう叫んで暴れるのに、腕を掴む手はちっとも外れる様子が無い。

 可愛い顔をしていてもやっぱり日生は男だってことか。



「離せっつってんだろ――ぅぐっ!?」

 奥の壁に背を向けるように押し付けられたあたしは、日生の片手で口を覆われた。

「お前うるせぇよ。ちょっと確認したいことがあるだけだって」


 確認したいこと?


 日生はそう言うとおもむろにあたしのシャツのボタンを外し始めた。


 なっ!?

「んんぅー!!」

「っいて! ちょっ、大人しくしてろよ!」

 声は出せなくても腕は自由だ。

 あたしは日生の腕や顔を殴り引っ掻く。


 服脱がせられそうなのに大人しくなんてしてられるかーーー!


「だー! 大人しくしろって!」

 叫んだ日生はあたしの口から手を離し、両手であたしの腕を掴んだ。


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