聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「だから今からまたあいつのところに行くなんて言うなよ。口止めなら明日でもいいだろ?」

「……うん」

 黒斗の低音ボイスで囁かれて、あたしは逆らうことが出来なくなってしまう。


 あたしの返事に満足したような黒斗は、目を細め妖艶な笑みを作る。

「それに何より、俺がお前を離したくないんだ……」


「っ!」

 とどめとばかりのその甘い台詞に、あたしは完全にノックアウトされた。


「……ダメだよ黒斗。……ココ、学校だよ?」

 寸前まで迫ってきていた黒斗の顔に、意味が無いと分かっていながらもそう言ってみる。

 案の定黒斗はやめようとはせず、最後に囁いた。


「誰も見てねぇよ……。もういいから黙れ」

 そして唇が触れる。


 あたしは誰かに見られないかとハラハラしながらも、黒斗の唇を受け入れた。




 やっぱり、黒斗にキスされるのは好き。

 嫌だなんて欠片も思わない。




 あたし、黒斗が本当に好きだ……。





 あたしはいつの間にか、ここが学校であることも忘れて黒斗に抱きついていた。

 より深いキスを求めるかのように……。

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