聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「最後に自分のクラスの出し物かな? ジュエルに負担が掛からないものならいいんだけど、やっぱりジュエルのいるクラスはソレを売りにしたいから無理だろうね」

 と最後に蓮先輩が言った。


 ダメ……聞いただけで気失いそう……。


 しかも追い討ちに怜さんが一言。

「しかもこの四つ、全部衣装が違うから急いで着替えなきゃならないのよ」


 ……もう泣きたい。


「はは……大変だな、友」

 隣に座る黒斗が他人事のように乾いた笑いを上げる。


「笑ってんじゃねぇよ、黒斗。他人事じゃねぇんだぜ?」

 辰也先輩が笑う黒斗をジトッと見つめて言った。


「え?」

 黒斗の顔が笑った状態のまま固まる。


「ジュエルの側にはつねにナイト在り、だよ。僕らもジュエルに合わせて衣装変えるし、劇もシナリオによっては一緒に演じなきゃならないし……」

 蓮先輩の説明に、今度は黒斗が気を失いそうになってる。


 何だっけ、こういうの。

 旅は道連れ世は情け?

 違うなー、確か……。


「死なばもろとも……」

「オイ」


 ついポツリと呟いた言葉に、黒斗が反応した。

 ジトリとした眼差しで睨まれる。


「あ、あは。聞こえちゃった?」

「“あは”じゃねーよ。大体死なねぇし」

 夕食中じゃなかったら軽くどつかれてたかもしれない。


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