聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
文化祭ゲーム決定
口止めをした後、拓馬はあたし達の周りをうろちょろするようになった。
いつの間にか高志や弘樹とも仲良くなって、学園にいると近くにいるのが自然になっていた。
ま、だからと言って何かしてくるわけでも無いし、バラす訳でもないみたいだからいいんだけど……。
それに、あたしは拓馬の存在に気を取られている状態じゃなかった。
始業式の翌日、その放課後には生徒会に呼び出され、文化祭についてあれこれ説明を受けた。
それから毎日放課後は衣装合わせや練習の日々。
劇には黒斗も出ることになったから、黒斗も疲れてるみたいだった。
それでも黒斗は拓馬を警戒してあたしを守ってくれている。
何か、申し訳ないなぁ……。
黒斗も疲れてるのに。
あたしも自分で何とか出来ればいいんだけど……。
「うっわー……。疲労感たっぷりな顔してるな」
唯一の休み時間といっても過言では無いくらいの昼休み、机に突っ伏しているあたしを見て弘樹が言ってきた。
「ホントだよ。あ~弘樹代わって!」
「無茶言うなよ。大体俺がお前の代わりやったらブーイングされるだろ?」
「……」
ごもっとも。
チッと舌打ちでもしたい気分でいると、今度は黒斗が弘樹に言った。