聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 その存在の大きさに。

 友という存在そのものに。

 愛情を感じた。



 高志について行きながら、そういえばブルートパーズは『愛情』という言葉も持っていたなと思い出していた……。





 しばらく歩いて俺達は裏庭の方に来た。

 丁度校舎の影になるところで足を止めた高志。

 俺もそれに合わせて止まる。


 高志は俺の方を向いて、言いづらそうに何度か口を開閉していた。


 このままじゃいつ話が始まるのか分からない。

 仕方なく俺の方から話すことにした。

「……友のことだろ? 話って……」

 静かに切り出すと、高志は少しホッとして「ああ」と頷く。


「……黒斗はさ、オレが友のこと好きだって知ってたよな?」

「ああ」

「お前も……友が好きなのか?」

 何とも言えない、悲しそうな眼差しで聞かれる。


 でもその目は真剣で、俺はそれに応えたいと思った。


 少し前の俺だったらきっと笑って誤魔化した。

 でも今の俺は……。

 高志のことを本当に友達だと思っていたから……――。


 だから、高志の目をしっかりと見返して口を開く。

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