聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「でさ、そしたらオレはどうしたいんだろって考えた。……考えて、ワケが分からなくなった」

 高志の顔が今にも泣きそうな顔になる。


「オレは友自身が好きだったのか、それとも友の女みたいに可愛いトコが好きだったのか……」

 どうだったのか分からなくなった……と。


 そしてまた地面を見つめた高志は押し黙った。


 俺はそんな高志の言葉をひたすら待つ。
 待たなきゃいけない気がした……。


 そして数分後、高志は静かに口を開いた。

「だから……自分の気持ちが分からなくなったから、オレ、今回の文化祭のゲームではっきりさせようと思うんだ」

「はっきりって、お前自身の気持ちをか?」

「ああ」

 そう返事をして再び顔を上げた高志は、悲しそうな……でもしっかりとした意志を持つ目をしていた。


「だってよ、あのゲームってどれだけ友とデートしたいのかでやる気が違うだろ? どれだけ友のことを想ってるか判断するには都合いいじゃん」



 どれだけ友を想っているか、ねぇ……。

 それじゃ俺、ぜってー負けられねぇじゃねぇか。



「だからオレ、優勝して友にもう一回告る!」

「は?」

「今度はちゃんとした返事もらえるようにな」

「なっ!? ちょっと待て!」

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