聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
第八章 文化祭と三度目の発覚
「ゲームの賞品のこと? あ、ごめん言うの忘れてた」
後で問い詰めると雪さんはそう明るく言ってのけた。
「だって、貴方詳しく聞いてこないんだもの」
と怜さん。
あたしが悪いんですか!?
「そんなことより聞いてー!」
突然雪さんがあたしに抱きつきながら話を変えた。
そんなことよりって、そりゃー過ぎてしまったことは仕方ないって言うけど……。
「あたし達オファーが来たの!」
「え?」
雪さんの喜びの言葉を聞いた瞬間、あたしは愚痴りたい気分もすっかり忘れてしまう。
オファー……ってコトは!
「デビュー出来るってことですか!?」
「そうなのよーーー!」
「さっき社長から連絡があってね、教えて貰ったの」
喜びで落ち着かない雪さんの代わりに怜さんが説明を始めた。
「夏休み中に回った所はイメージに合わないとかで全部ダメだったんだけれど、その中の一つが他のところに私達を紹介してくれたの」
「しかも! しかもよ!?」
興奮した雪さんが怜さんから説明の続きを奪い取る。
「CMデビューですって!」