聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「だって、あたしナイトまだ決めてないし、それに黒斗にはもう女だってバレちゃってるし!」

 どんな返事が返ってくるか分からないから、あたしは妙に焦ってまくし立てた。



 そんなあたしを見て困ったように笑った黒斗は「いいよ」と言ってくれた。


「でも俺でいいのか? もっと相応しい奴とかいるんじゃ――」

「黒斗より相応しい奴なんかいない!」


 あたしは思わずそう叫んでいた。


「あ……」

 恥ずかしくなって顔が赤くなる。


 黒斗は爽やかに笑って、あたしの頭をポンと叩いた。


「サンキュー」


 ぅわー……。

 やっぱり黒斗カッコよすぎ。



「それじゃあ詳しいことは放課後だな。そろそろ体育の授業終わっちまう」

「え? もうそんな時間!?」


 ヤバイなー、あの体育教師怖いのに。


「友? 行くぞ?」

 先にドアのカギを開けていた黒斗が呼んだ。


「あ、今行く!」











 憧れていた黒斗がナイトになってくれて、あたしは浮かれていた。


 今後、その黒斗に散々振り回されることも知らずに……。

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