聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 そう思って見守っていると、黒斗はゲームを始めた。


 中には大きめのカプセルが入っていて、その中に次のヒントが入ってるみたい。


「そうそっち、もっと奥に……って!? 何でそこで止めるのよ!?」

 黒斗は何も無い場所でアームを止めた。


 ダメだこれ。

 ヘタとか以前に、どうすれば取れるのかすら分かっていない。


 黒斗が何度もチャレンジしている間に、他の生徒達も来て今度はそいつらに先を越されてしまう。

 最初にカプセルを取ったのは拓馬だった。


『やっりぃ! お先に行くぜ、く・ろ・と』

 そうして拓馬は先に行く。

 拓馬って結構嫌味だよね……。


 とりあえずそんな感じで皆抜きつ抜かれつ先を進んでいった。


 途中でズルして、ゲームの指示に従わずにあたしの居場所を探しに行ったりする奴もいた。
 でも、そいつらは皆待機していた役員や邪魔者役に捕まっていた。








『よし! 取ったぁ!』

『俺もだ!』

 最後の宝探しでグラウンド内にいた皆の中から真っ先に声を上げたのは黒斗。

 それに続くようにすぐ声を上げたのは拓馬だ。


 二人は一瞬睨み合い、二人同時に走り出した。


< 273 / 364 >

この作品をシェア

pagetop