聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
そして、横開きのドアが開く――。
ガラッ
「優勝おめでとう。あたしとの一日デートはあなたのものです」
と、語尾にハートを付けるように決められた台詞を言った。
「って、あれ!?」
台詞を言った後で優勝者をちゃんと見て、あたしは本気で驚いた。
そこにいたのは予想してなかった人物。
黒斗でも無く。
ましてや拓馬でも無い。
「弘樹!?」
「あー、うん。優勝、しちまった」
弘樹はそう言って苦笑いを浮かべる。
「え!? で、でも黒斗と拓馬が一番前にいたんじゃないの!?」
「え? ああ、そっか。中継されてたんだもんな」
そう言って納得した弘樹は、頭を掻きながら答えてくれた。
「すぐそこで最後の邪魔が入ってさ」
ホラ、と廊下の方を指差した弘樹に従い音楽室から頭を出すと、少し離れた場所で黒斗と拓馬がネットに掛かっていた。
「いやー。目の前で二人が一緒にネットかけられたの見たときはびっくりしたけどさ、そのおかげで実質三位だった俺が優勝しちゃったってわけ」
「は……」
あたしは呆気に取られた。
ガラッ
「優勝おめでとう。あたしとの一日デートはあなたのものです」
と、語尾にハートを付けるように決められた台詞を言った。
「って、あれ!?」
台詞を言った後で優勝者をちゃんと見て、あたしは本気で驚いた。
そこにいたのは予想してなかった人物。
黒斗でも無く。
ましてや拓馬でも無い。
「弘樹!?」
「あー、うん。優勝、しちまった」
弘樹はそう言って苦笑いを浮かべる。
「え!? で、でも黒斗と拓馬が一番前にいたんじゃないの!?」
「え? ああ、そっか。中継されてたんだもんな」
そう言って納得した弘樹は、頭を掻きながら答えてくれた。
「すぐそこで最後の邪魔が入ってさ」
ホラ、と廊下の方を指差した弘樹に従い音楽室から頭を出すと、少し離れた場所で黒斗と拓馬がネットに掛かっていた。
「いやー。目の前で二人が一緒にネットかけられたの見たときはびっくりしたけどさ、そのおかげで実質三位だった俺が優勝しちゃったってわけ」
「は……」
あたしは呆気に取られた。