聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「それでその鳴海くんが一人の一般の女子高生に一目惚れしちゃったの。あ、あくまでカメラマンとしてよ?」

「はあ……」


 それでどうしてあたしへのオファーに繋がるのか分からなかったけど、とりあえず頷いておいた。


「で、鳴海くんがその子の写真集を作りたいって言うの」

「写真集!?」

 いくらなんでも写真集はいきなりすぎだ。

 無名の子の写真集なんて売れるわけないのに。


「驚くでしょう? 私も驚いたわ。だから、せめてどこかの雑誌に一度載せてからにしてって説得したわ」

「へぇ~、そんなことあったんだ……」

 一度雑誌に載った位で名前が売れるとは思えないけど、いきなり写真集出すよりはいいのかな?


「まあそれで、とりあえずその子はウチの事務所に入ってもらったの」

「ふぅ~ん」


 ……で?

 だからそれとあたしへのモデルのオファーとどう関係があるの?


 早くその部分を聞きたかったけど、お母さんはそうやって催促して聞かれるのを極端に嫌がるから黙って待つ。



「で、まずは雑誌に載せる写真を撮ることになったんだけど、鳴海くんが『それなら対になるような子とセットで撮ったほうがインパクトある』って言うの」

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