聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「ったく……。弘樹、ホント気を使いすぎ」

 ここまで来ると呆れてくる。


 あたしはため息をついて自由行動することにした。




 と言っても、特に何かやりたいゲームがあるわけでもない。

 そんなときのあたしの行動なんて限られてる。



 あたしは、黒斗を探していた。


 格ゲーや音ゲーが設置されているような場所にはいなかった。

 UFOキャッチャーは……いるわけがない。

 一応見てみたけどやっぱりいなかった。

 他にはと行ってみたのはプリクラがある場所。

 まさかこんな所にはいないよね。


 と思いながら他の場所をもう一度探そうとしたとき、誰かに腕を引かれ空いているプリクラの台に引きずりこまれた。

「え!? ちょっと誰!?」

 この状況は以前高志とプリクラを撮ったときを彷彿(はうふつ)とさせる。


 まさかまた!?

 いや、でも高志はもうあたしのことは諦めたはずだし……。


 と思いながらその人物の顔を確認する。
 
「俺だよ」

 確認したと同時に、すぐ近くで聞き慣れた声が聞こえた。


「黒斗……」

 そう、あたしをプリクラの台に引きずり込んだのは黒斗だった。



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