聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 聖石学園。


 たしか、聖花学園という女子校と姉妹校で――。


 ……男子校のはずだ。


 共学になったなんて話も聞かない。


「聞いていい?」

「どうぞ?」

「男子校……よね?」

「そうよ?」


「何で女のあたしが男子校通わなきゃならないのよ!? 男装しろってか? 大体あそこ芸能クラスないじゃない! そういうトコ行って欲しいんじゃなかったの!?」

 あたしはまた声を荒げさせた。


 当然だよね?
 そんな非常識な事がまかり通っていいはずがない。

「ちゃんと理由はあるのよ? お母さんがウチのタレントに指令を出してるのは知ってるわよね?」

 あたしはコクンと頷いた。


『芸能人たる者、いつでも”芸能人”という仮面をつけていなければならない! だから普段の生活で演技を身に付けろ!』

 それがお母さんの言い分。


 だから、事務所に所属しているタレント、もしくはデビューしてないタレント候補たちは、それぞれ指令を出される。

 一例としては。
 チャラチャラしたタイプの奴を名門校に入れて、『優等生を演じて来い』なんて無茶な指令がある。


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