聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「もし俺が今お前の部屋に入ったら、まずベッドに押し倒してやる」


「はあぁ!?」


「黙って聞けよ。もしもの話だって」


「う、うん……」


 いきなり何を話し出すのかと思った。

 でもこれを聞いてさえいれば今日の分はチャラなんだ。

 聞くだけならどうってことないはず!


「お前はきっと暴れるだろうから、腕はしっかり押さえつけて。足も動かせないようにのしかかってやる」

「……」

「うるさい唇も塞いで、驚いて黙ったところを舌で唇を押し開く」

「っ……!」

「怯えるお前の舌を絡めとって吸う……。俺の唾液とお前の唾液を絡めて、いやらしい音をたてる」

「……やぁ……」

「朦朧(もうろう)とするお前の服の中に手を入れて、くびれにそって撫であげよう」

「や……めて……」

 実際に触られたわけじゃないのに、あたしの体はゾクゾクと震えた。


 何よコレ~!?


「そしたらお前の柔らかい唇を解放してやる。感じてる声聞きたいからな。……そのあと俺はお前の首筋を舌でなぞって下へ下りてい――」

「やめてぇ!!」


 耐え切れず、あたしは叫んだ。


「何よそれぇ……そんなの聞かせてどうしようっての?」

 あたしはわけが分からず、半泣き状態で聞く。



 黒斗はそれに答えず、少し間を空けて聞き返してきた。

「……感じたか?」


「っ感じてない!!」


 ウソ、本当は感じてた。
 黒斗が言ったのと同じ事をされたかのように……。

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